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⑤M&Aの失敗パターン 税理士事務所の合併・承継セミナー

  • 執筆者の写真: 大竹 邦明
    大竹 邦明
  • 3月17日
  • 読了時間: 5分

後継者不在・職員の雇用継続・顧問先へのサービス継続に悩む所長が多い「税理士事務所のM&A」。全国から承継・合併・税理士法人化の相談が寄せられる株式会社KACHIELの税理士専門のM&Aコンサルタント大竹邦明氏によるセミナーをお届けします。ネット検索すればすぐに調べられる表層の知識ではなく、現場目線のリアルな経験談をお話ししました。


はい、では本編最後の部分ですね。ここからは、先ほどまでお話ししたケースの逆パターン、つまり税理士事務所のM&Aにおける失敗パターンについてお話しします。


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お客様からお伺いしたM&Aの失敗事例



今回ご紹介するのは、弊社で仲介させていただいたお客様ではなく、買い手の事務所様が過去にご自身でM&Aを試みて失敗したケース、もしくは他の仲介会社に仲介してもらったものの失敗してしまったケースです。特に大きな失敗事例についてお話しします。


まず、失敗の結果として、「譲渡後数ヶ月で売上が50%減少した」というケースがあります。また、「譲渡後に初めて職員と顔合わせをした際に、いきなり『私、辞めます』と言われた」というケースもあります。さらに衝撃的な事例として、「譲渡契約締結の前日に職員が全員退職してしまった」という話も伺っています。


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特に、売上が半減したケースや職員が辞めてしまったケースについては、買い手事務所の代表税理士から詳しくお話を伺いしましたが、私自身、「自分が当事者だったら心が折れてしまうだろうな」と思うような出来事でした。ただ、その後、しっかりと経営の立て直しを図り、現在は順調に運営されている先生もいらっしゃいます。


では、なぜこうなってしまったのか。その原因としては、基本的に今日お話しした「成功するM&Aのポイント」が抜けていたのではないかと考えています。



税理士事務所のM&A 失敗の原因



まず、一般的なM&Aのセオリーに従い、「譲渡後」に職員へ情報開示を行ったという点が挙げられます。長年勤めていた所長が「今日で辞めるよ。明日からはこの人が引き継ぐからよろしく」と突然言われたら、職員としては不安になりますし、「辞めよう」と思うのも無理はありません。


また、譲渡後に初めて職員と顔を合わせるというのは、職員目線だけでなく、譲渡側の所長にとっても大きな不安要素です。「どんな人かわからないまま、明日から一緒に働かなければならない」という状態での顔合わせになってしまい、結果として「辞めます」と言われる原因になりました。


さらに、譲渡側の先生が「売ったら終わり」と考え、引き継ぎに協力しなかったケースも失敗の一因です。これは当然、顧問先の離脱にもつながります。そのため、譲渡後のスムーズな引き継ぎができない場合は、そもそもM&Aを実施しないほうが良いかもしれません。


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また、もう一つありがちな失敗が、「特定のキーパーソンにだけ声をかける」という行為です。これは、職員全員が離職してしまう原因になり得ます。


例えば、「Aさんがキーパーソンです」と聞いていたので、Aさんだけに対して個別にアプローチをしたところ、実際のキーパーソンはBさんだった、というケースです。この場合、Bさんが「自分は重要視されていない」と感じ、他の職員にも不信感が広がり、結果として全員が離職してしまうことが実際にあったそうです。

情報統制をしっかり行い、すべての職員を公平に扱うことが重要です。


結局のところ、M&Aを成功させるためには、職員目線での準備や対応が欠かせません。また、顧問先にも適切にアプローチし、職員と一緒に案内を進めることが大切です。



弊社ご支援先事務所様の譲渡・合併後


弊社がご支援したM&Aにおいては、これまで職員の離脱はゼロです。また、M&Aを理由に顧問先が離脱したという報告もありません。むしろ、「新たな紹介が増えた」「これまでにない規模のお客様から問い合わせが来た」といった前向きな報告をいただいています。


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人が重要となる税理士事務所のM&Aにおいては「愛」がめっちゃ重要です。本当に重要です。これがなければ、ご自身のお金中心の思考になってしまったり、職員や顧問先の立場を考慮できなくなってしまいます。

つまり、M&Aにおいて重要なのは、「事務所の未来を考え、関係者の立場に立って判断できるかどうか」です。


これで、本編の内容は終了となります。今日は色々とお話ししましたが、やはり税理士事務所のM&Aにおいては「目的」と「愛」が重要だということを覚えておいていただければと思います。


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最後に、ご参加いただいた皆様に2点ご案内がございます。


まず1つ目は、「自分の事務所の将来に不安を感じている」「5年後、10年後を考えると心配だ」と感じた方へ。今日ご紹介した「合併・承継候補先の無料調査」を全国対応で実施しています。先ほどご紹介した無料調査の結果資料は、アンケートに回答いただくことでダウンロードできます。希望される方は、アンケートの該当項目にチェックを入れてください。この調査は完全無料です。


2つ目は、「知り合いの先生が後継者不在で困っている」「M&Aを考えている先生がいる」といった場合、ぜひ弊社にご紹介いただければと思います。



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また、税理士事務所向けの情報発信を強化していきたいと考えています。税理士会や税理士協同組合、支部研修などの企画をされている方がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介いただけると幸いです。今日の内容をカスタマイズし、時間調整を行った研修も実施可能です。全国対応で行っておりますので、ぜひお声がけください。



本日はご参加いただき、誠にありがとうございました!




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私たちについて

KACHIELは税理士向け実務セミナー事業を15年以上運営し、全国に2.3万人以上の税理士ネットワークをもつ会社です。弊社をご利用頂く税理士事務所所長・税理士法人代表であるお客様などから年間50件以上、事務所承継や組織化のご相談を頂いております。

単なる「売却」に限らず、譲渡側の所長の現役続行を前提とした「支店成り」「税理士法人化」「税理士法人合併」などのご支援を全国で多く行っています。

​これまで弊社ご支援先ではM&Aを原因とした職員様の離脱が過去通算0人です。

​税理士M&A成功ガイドで公開する知識・経験談をご参考にして頂けますと幸いです。

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