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③在職時:服務規律、懲戒処分とタスクの見える化~職員の独立を防ぐ就業規則の作り方~

  • 執筆者の写真: 大竹 邦明
    大竹 邦明
  • 5月28日
  • 読了時間: 4分


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税理士事務所 所長向けに「職員の独立を防ぐ就業規則の作り方~5つのポイント~」座談会を開催しました。(2022年10月開催)

本記事では3つ目「在職時:服務規律、懲戒処分とタスクの見える化」について抜粋して記事にまとめました。

講師      :社会保険労務士法人ベスト・パートナーズ 代表社員 竹谷 保宣

ファシリテーター:株式会社KACHIEL 大竹 邦明


大竹:

では、次にポイント3つ目の「在職時」についてお話を進めていきます。ここからは、実際に書面としての就業規則に関わる部分になります。


服務規程、懲戒処分、タスクの見える化といった項目について詳しく伺いたいと思います。


竹谷:

はい。特に就業規則には、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つの分類があります。


- 絶対的記載事項:法律で必ず記載しなければならない事項。

- 相対的記載事項:事務所で取り決めがある場合、記載しなければならない事項。

- 任意的記載事項:事務所の独自ルールを記載するもの。


服務規程は相対的・任意的な記載事項ですが、これを充実させている事務所は意外と少ないんです。


大竹:

なるほど。具体的にはどのようなことを記載すべきでしょうか?


竹谷:

例えば、

- 社外へのデータ持ち出し禁止

- 不正開示の禁止

- 業務用データの整理ルール

- 休日の事務所立ち入り禁止


こういった規程を明文化することで、リスクを抑えることができます。


また、報連相(日報含む)についても、職員の業務の進捗を把握するために重要です。


特に退職を考えている職員は、独立準備などを業務時間中に進めることがあります。その兆候として、日報の記載が不自然になったり、報連相が滞るケースがあるため、これらのチェックも必要です。


大竹:

なるほど。就業規則だけでなく、秘密情報管理規程の整備も必要になりますね。


竹谷:

そうですね。特に秘密情報の保持と副業の禁止は、法的にも適切にルール化すべき点です。


同業他社への副業は禁止すべきです。理由として、

1. 秘密情報・個人情報の漏洩防止:

- 秘密情報を持ち出して他社で使用するリスクを避ける。

2. 過重労働の防止:

- 週40時間フルタイム勤務の職員が、さらに別の仕事をすると残業時間が増え、過労死ライン(80時間超)を超える可能性がある。


ただし、完全に異業種(例えばUberEatsのアルバイトなど)の副業を禁止するのは難しいため、慎重に規程を定める必要があります。


大竹:

同業他社からの業務委託契約についても禁止できるのでしょうか?


竹谷:

はい、業務委託契約は雇用形態ではありませんが、契約の自由の原則に基づき「同業他社の業務を受けない」という合意を契約書に明記することができます。


そのため、雇用契約ではなくても、業務委託契約において同業他社の業務を禁止する条項を設けることで、リスク管理を行うことが可能です。


大竹:

では、職員がこれらのルールに違反した場合、どのような対応が可能なのでしょうか?


竹谷:

まず、就業規則に違反項目を明記しておくことが大前提です。


違反があった場合、

- 就業規則に基づいて懲戒処分を行う。

- 違反が重大な場合、解雇の検討も可能。


ただし、就業規則に違反項目がない場合、懲戒処分を行うのは難しくなります。そのため、事前に就業規則に詳細なルールを盛り込んでおくことが重要です。


また、感情的に即座に解雇を言い渡すのはNGです。


- 頭ごなしに怒る → 労務トラブルに発展しやすい。

- 解雇を即決する → 不当解雇として訴えられるリスク。


特に、労務問題に発展した場合、解雇が有効か無効かの議論になり、最悪の場合、追加の賠償を求められる可能性もあります。


そのため、冷静に対応し、事前の規則を活用することが大切です。


大竹:

つまり、職員へのマネジメントだけでなく、手続き面でも慎重に進める必要があるということですね。


竹谷:

はい、その通りです。適切な規則を整備し、それを遵守することで、事務所を守りながら適切に職員を管理することができます。


大竹:

ありがとうございます。では、次のポイントに進んでいきましょう。



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