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①事業譲渡を検討した理由とは?~所長のリーダーシップとマネジメント方法~

  • 執筆者の写真: 小杉 啓太
    小杉 啓太
  • 3 日前
  • 読了時間: 8分

更新日:2 日前


~経営統合を実現した2人のリーダーが語る~

「実体験!ここだから話せる経営統合の裏話」

≪講師≫

●小西 慎太郎(こにし しんたろう)

 DIG税理士法人/DIGグループ

 (旧・税理士法人アーリークロス/合同会社アーリークロスグループ)

 代表社員 公認会計士・税理士・宅地建物取引士


●仲田 芽衣(なかた めい)

 なかた会計事務所 代表・税理士

 株式会社Beso Co-founder / COO


≪ファシリテーター≫

●久保 憂希也(くぼ ゆきや)

 元国税調査官

 株式会社KACHIEL 代表取締役 CEO



2024年11月1日に発表されたDIG税理士法人(旧・税理士法人アーリークロス)と税理士法人Besoの経営統合について、実際に経営統合を実現した2人のリーダーが抱えていた不安や課題をどう乗り越えたのか、そしてどんな教訓を得たのかが語られる特別対談が2025年5月に実施されました。本記事では、その対談から「講師の自己紹介と譲渡した理由」について抜粋してまとめました。



久保:

18時になりましたので、始めさせていただきます。

皆さん、よろしくお願いします。


仲田先生・小西先生:

お願いします。


久保:

はい、お願いします。

経営統合したお二人、いわゆる当事者の方ですね。

M&Aで、まぁ、言い方はあれですけど、

“買い手側”と“売り手側”という立場になりますけど、

なかなかリアルな話を聞ける機会って少ないと思うんですよね。


それで、今日は「経営統合の裏話」というタイトルにしていまして。

表の話はまぁ置いておいて、裏話を聞きたいなと、そう思っています。

若干、雑談形式にはなりますが、よろしくお願いいたします。


仲田先生・小西先生:

お願いします。


久保:

じゃあ、ちょっと法人の規模感も含めて、小西さんのほうから自己紹介をお願いします。

27歳で独立でしたっけ?


小西先生:

そうですね、27〜28歳くらいの時に独立しました。


久保:

そこから今の規模になったとのことですが、ちょっと自己紹介をお願いできますか?


小西先生:

はい、初めまして。

DIG税理士法人の代表をしています、小西と申します。


私は2012年に個人事務所を開業しまして、

その後2018年に税理士法人アーリークロスを税理士の小山と一緒に設立しました。


そして今年(2025年)の5月1日から、社名を「DIG税理士法人」に変更しております。


現在、全体で150~160名ほど在籍しています。

一番人数が多いのは税理士法人ですが、それ以外にも社労士法人やWeb会社、

不動産会社、最近では人材紹介会社などもグループにあります。

M&Aの仲介会社も運営しています。

会計事務所を中心としたグループ体制です。


今日はよろしくお願いします。


久保:

全国で税理士法人の拠点はいくつありますか?


小西先生:

税理士法人の拠点は、東京・大阪・奈良・北九州・福岡・鹿児島・沖縄で、

7拠点になります。


久保:

じゃあちょっと話がとんじゃいますけど、

M&Aで統合したのは税理士法人Besoの大阪と奈良ですよね?


小西先生:

はい、そうです。

それ以外の拠点は全て自前で立ち上げました。

沖縄や鹿児島も自分たちで開設しています。


久保:

ということは、税理士法人Besoとの統合が初めてのM&Aなんですね。


小西先生:

そうですね、厳密には2018年に税理士法人を作った時、

私の個人事務所の小西公認会計士事務所と、

小山のアーリークロス会計事務所が統合したので、

それも広い意味ではM&Aかなと。

あと、グループのWeb会社はM&Aで入ってもらったものです。


久保:

なるほど、なるほど。

じゃあ株式会社のM&Aは経験があるのですね。

経歴ありがとうございます。

じゃあ次は、仲田先生お願いします。


仲田先生:

はい。

改めまして、仲田芽衣と申します。

よろしくお願いします。


私も28歳の時に、株式会社Besoと個人の税理士事務所を立ち上げました。

開業したのは2019年9月、コロナ真っ只中の頃でした。


その後、2022年1月に奈良の代表である玉置(たまき)と、

個人事務所同士で法人化を行いました。


そして今回、2024年11月に税理士法人アーリークロス(現・DIG税理士法人)に、

経営統合いただいたという流れです。


最初は株式会社Beso代表の白木と私の2人でスタートして、一番多い時で20名ほど。

経営統合のタイミングでは10数名くらいの規模で引き継いでいただきました。


久保:

プロフィール欄にも「開業から3年で年商1億、従業員20名」とありましたけど、

それはグループ全体ですか?


仲田先生:

そうですね、グループ全体の数字ですが、

実質的には税理士法人側に多くの人数がいました。


当時は補助金とIT導入関連、特にfreeeの導入支援が売上の主力になっていました。


久保:

うん、なるほど、なるほど。

じゃあ、それってDIG税理士法人が引き継いだ人数って、

最終的に何人くらいだったんですか?


小西先生:

えっと、仲田さんと白木さん(株式会社Besoの代表)が抜けたので、

その2人を除いた10数名が残ったかたちですね。


仲田先生:

はい、引き継ぎ当初は、10人ちょっとだったと思います。


久保:

なるほど、なるほど。

じゃあ、裏話的なこととしては、直接的に聞くと、売却の理由って何だったんですか?


なんかnoteの記事には「リーダーシップがなかった」みたいなことが書かれていて、

組織を作るのに向いていないのに気づく」というのは、

俺、個人的にはね、それめっちゃ“税理士あるある”だなと思っているんですよ。


仲田先生:

はい、よくある話だと思います。


久保:

やっぱり税の専門家ではあるが、組織をつくるのに向いてないと

後から気づくパターン、多いですよね。

事業承継を検討されている税理士からよく聞く話だなと思っているんですけど、

そこはどうだったんですか?


仲田先生:

そうですね、売却の理由がそれだけというわけではないんですけど、

やっぱりリーダーシップが取れなくなったっていうのは、記事に書いていた通りです。


背景としては、私が株式会社Besoの代表として、上場を目指している中で、

いわゆる“二足のわらじ”の状態になってしまっていたんですよね。

税理士法人の代表でありながら、そっち(税理士法人)にフルコミットできない

状況になっていたんです。


あと、自分自身、そんなに優秀なタイプではないんですけど、

それでもメンバーの“できてない部分”ばかりが目につくようになってしまって。

結果として、マネジメントもうまくいかなくなったというのが、大きかったですね。


久保:

じゃあ……激ギレとかしてたんですか?(笑)


仲田先生:

はい、してました(笑)


久保:

「なんでこんなミスを繰り返すんだ!」みたいな?(笑)


仲田先生:

声を荒げることはなかったんですけど、

「もういいです、私がやります」って、自分で巻き取っちゃうような感じでした。


久保:

あ〜、なるほど。

ぶちギレて怒鳴るタイプじゃなくて、あたりが強くなり、口数が減っていくタイプ?


仲田先生:

そうですね、イライラして、コミュニケーションを取らなくなっていくような……。

今思えば情けないなって思うんですけど、当時は本当に余裕がなかったですね。


お客さんというか、顧問先さん自体は、ほぼメンバーに引き継いでいたんですけど、

引き継いでから時間が経ってくると解約が出てきてしまって…。

マネジメントが行き届いていなかったのと、品質がボロボロになってしまったのとで、

解約が続いたり、業績も落ちて……。

でも、私にもリソースがなくて、そういう状況が重なって、

まあ、激ギレ状態な時期もありましたね。


久保:

なるほどね。

この話って、DIG税理士法人側には共有されていたんですか?

マネジメントが回ってないという問題は。


小西先生:

いや、特にそういう背景は聞いてなかったですね。


久保:

今、経営統合から半年ちょっとですよね?

買い手側として、マネジメント面で苦労していることってないですか?


小西先生:

そうですね、正直すごくいい方ばかりで、

まったく苦労がないって言ったら嘘になりますけど、

今のところはとてもいい形で進められていると思っています。


もちろん最初は、向こう(元・税理士法人Beso)の皆さんも警戒されていたと思います。10数名の規模の組織から、いきなり100名以上の大所帯の中に入る形になるわけですから、戸惑いもあったと思います。

なので、誤解が生まれないように、コミュニケーションにはかなり気を使いましたね。


久保:

僕、ちょっと状況がまだ分かってないんですけど、大阪と奈良の2拠点を買収して、

税理士が1人(仲田先生)抜けちゃったから、

DIG税理士法人として福岡から誰かを拠点の代表として送り込んだんですか?


小西先生:

そうですね、大阪のほうに、社員税理士を送り込みました。


久保:

あ、大阪に送り込んだんですね。


小西先生:

はい、もともと奈良にいた税理士はそのまま残ってくれています。


久保:

うーん。

じゃあ、やっぱり出せる人材がいないと、買い手としては厳しいよね。

マネジメントしないとダメだから。


小西先生:

そうですね。

ただ、マネジメントについては、

元々、税理士法人Besoの方がリモート中心でやっていたっていうのもあって、

実は拠点ごとに管理するというより、

部署単位で横串を通すような形でやっているんですよ。

もちろん、現地に会いに行ったりもしますけど、

基本的にはオンラインベースでマネジメントしています。



次回は「講師2人の出会いと譲渡先を選ぶ際のポイント」について抜粋して記事にまとめます。(2025年7月15日に記事アップ予定)



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設立  2009年2月

資本金 888,500,000円(資本剰余金含む)

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